そう


離れていても、このリングを見ると心が暖かくなる

あのリングを渡された日に言われた言葉は今も大切に胸に刻んでいる



「良いな…俺も彼女欲しくなったよ」



「え?北嶋さん、彼女いないんですか?」



「----う〜ん。卒業する時別れたんだ…学生の頃は良かったけれど、お互い就職先が決まって将来の話しをし始めたら

お互いの価値観が違ってね…俺は今の仕事で一人前になったら彼女と結婚したかったんだけれど
彼女は警察嫌みたいで…」



「え?でも、公務員だから返って喜ぶんじゃないですか?」



「ん〜警察以外の公務員なら問題無かったのかもね」



「あの………どういう意味ですか?」



「別れた当時は、彼女が離れた理由はわからなかったんだ。単に転勤が嫌なんだと思ったから…」