厳かに行われた卒業式には


私の家族と省吾さんも出席してくれた


もっと省吾さんと一緒にいたくて傍に行くと


「俺との時間はちゃんと別にくれるんだろ?今はクラスメイトとの別れをちゃんとしておけ」


と、背中を押された


あと数週間でこの街を離れる事を今になって少し後悔している


桜公園の見事な桜並木を見ながら、航や僚の手を引いて家族と共に歩く


そんなごく普通の事も今の私は嬉しい


夕飯はみんなで私の卒業祝いをしてくれた


可愛い弟達から貰った小さな花束に思わず泣いてしまい由美子さんまで一緒に泣いてしまった


折角のお祝いなのにね…


そんな私を心配して省吾さんは私を気遣ってくれて
一人じゃなかなか進まない荷造りを手伝ってくれた




「瞳……ほら、他にしまう物は無いのか?」


「…………うん 大丈夫」


「全く…そんな顔していたら、俺心配で行かせたくなくなるんだけど!」


「はぁ〜省吾さんと離れるの嫌だ…」


「お前な!今更何言って……お おぃ 泣くなよ……」


「省吾さんは平気なの?会えないんだよ!どうして荷造りなんかできるのーー!」