「不安が無い訳では無いけれど、先輩に聞きながら頑張るよ」


「由美子が、ちゃんとご飯食べるか心配していたぞ」


決して自炊が得意と自慢できる私では無いので苦笑いしていると


「まぁ、家事は人並み程度にはできるよな?何とかなるんじゃないかと俺は思っているけれど、由美子にしてみれば、嫁に出す位心配みたいだぞ」


思わず吹き出す省吾に


「笑い過ぎだよ…それより朝起きられるか心配だよ…目覚まし時計買わないと!」


「省吾君もこれからはいよいよ試験対策開始か?」


「はい。大手専門学校等の模試や講座への参加をしながら来年合格できる様に本腰いれないとならないです」


「そっか…市役所にするのか?」


「市役所、県の一般職、これら中心に今選んでいます」


「倍率とか凄そうだよね」


「んーどうかな。瞳だって凄いだろ?高卒女子の採用枠なんかめちゃめちゃ狭いし。

俺も負けてらんない…
卒業までまだ2年も先だし………」


省吾………
キュッと唇を噛み締めそれ以上のこの話題に触れる事は無かった





頑張れよ
と手を振りおじさん運転の車に乗り込む省吾の後ろ姿を見送り複雑な気持ちになってしまった