誓いの言葉・社会人編

けれど、彼女の左手に付けている指輪を見て心が揺れた


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知っている


あのデザインは知っている


いや

忘れちゃいけないと瞬間的に思った


彼女は名前も告げずに慌てて病室を出ようとするが、何故か引き止めたくてたまらなかった







「------ねぇ



また 会えるよね」



彼女は一瞬目を大きく開け黒目がちな瞳を揺らした



躊躇いがちに俺のベッド脇に近寄り俺を抱きしめた



「きっと大丈夫…」



彼女は小さな体で俺の不安を取り除こうと優しく抱きしめた


余りに細い体に驚いたが、なぜだかとても心が穏やかになった


名前を聞いても首を左右に振り教えてはくれなかった


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--《次に会う迄の宿題だよ》