誓いの言葉・社会人編

◆瞳 side
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私は病院の傍の公園で呆然としていた
ベンチに座りそこから見える病院をただボーッと眺めていた


病室を出たとき一瞬廊下に居た田崎さんと目があったけれど、彼は私と目があった瞬間辛そうな表情をして・・・・・


折角私の為に病院に付き添ってくれたのに・・
田崎さんの悲しそうな表情を見た瞬間
私はその場から逃げてしまった・・


事故のショックで一時的な物だと言う人もいるけれど、省吾さんが私を覚えていなかった事がこんなにも辛いとは思わなかった


結局、病室で省吾さんに名前を告げることはできなかった


彼の瞳は、何も覚えていないという現実に戸惑い苦しんでた


そこには私にいつも向ける穏やかで優しい眼差しが無かった


ショックだった・・・


生きてくれていただけでも感謝しなくてはいけない
だから今は静かに回復を待とうと思ったけれど・・・・・・


恋人なのに・・彼が辛いとき傍に居られないなんて
こんな辛い事がある?
麻衣さんが病室に来ていたことも気になるし、傍にいるだけで省吾さんの力になりたいのに・・
私は明日の夕方には学校に戻らなくてはならない


今の私には、一緒にいられる時間が無いことに不安と焦りを感じていた