通された病室は個室だった
もうすぐ4人部屋に移動になるらしい

枕元には小さな千羽鶴が置いてあって

ベットの上では省吾さんが静かな寝息を立てて眠っていた


ずっと会いたかった人が目の前で寝ている姿にホッとした

でもタオルケットから見える彼の姿はとても痛々しいもので………

頭には包帯が巻かれ腕には点滴の針がついていた


事故でぶつけたのだろうか
右腕は黒くなっていて
右頬には傷まであった

サイドテーブルには薬の袋が何個か置かれている


今すぐ駆け寄りたい衝動を抑え、省吾さんが起きるまで少し廊下で待とうと部屋を出る時にした所、出口で人とぶつかった



――――――









「うわっ ごめんなさい」




中に入って来ようとしていたのは



花瓶を持った麻衣さんだった


「お前何してんだ?」


私の背後から低い声で威嚇でもするかの様にキツイ口調で話しかけた智也さん

麻衣さんの持っていた花瓶を強引に取り上げ省吾さんの枕元に置くとすぐさま病室のドアを後ろ手で閉めた

「お前…ちょっと来い!」


そう言うなり麻衣さんを連れて智也さんはどこかに行ってしまった