「え!大神さんって、あのOOKAMIグループの!?」


オオカミグループと言ったら色々な分野で名前を聞く巨大カンパニーだ。




「当時私はしがないキャバ嬢だったし、あのヒトには婚約者もいたし・・・」




子供が・・・クロちゃんが出来たと分かって、大神さんの前から姿を消した。




ぅわぁ・・・身分違いの愛ってヤツですか。





遠い目で語るママさんに、横から大神さんがツッコミを入れる。





「婚約者は親の決めたコトで、私は最初から婚約は破棄するつもりだって言っただろう。」


「あの結婚にはアナタの会社での立場も絡んでたでしょう。」



「ふん。バックボーンに頼らなくたって、自分の地位くらい自力で確立できるさ。」


その言葉通り、大神さんは結局親の決めたヒトと結婚することはなくて。




オオカミグループでも十数年前に発足したIT関連は今やその世界でも名前が精通していて、その部門を構築したのが誰でもない目の前の大神さんなんだとか。