愕然と顔を上げればヒナタは「さーのみなおすぞー♪」と既にテーブルに向き直っている。


目があって、にこっ。



「あはは。クロちゃんってば怪我人なんだからあんましハシャイじゃダメでしょー。」





・・・ハシャイだの俺ぢゃない・・・。




俺は途轍もない絶望感に打ちひしがれソファーの片隅に丸まり、シクシクと暗涙。

向かいのオッサン二人は、このあまりに悲惨な光景を直視デキナイとばかりに顔を反らす。



「何やってんだ。バカネコッ。あれほどヒナには呑ませんなっつったのに!」


どこかでこの惨劇を目にしたらしい番犬が文句と共にすっ飛んでくる。



「カオ・・・オマエの姉ちゃんは酒乱か?」

「しゅら・・・や、ちょっと酒癖が悪ぃッすケド。」


烈の苦笑に番犬は苦笑いを返して、ほれっと顎をしゃくる。

見れば、先ほどまでハシャイでいた筈のヒナタはぐーっと寝息を立てて気持ちよさそうに寝ていた。



・・・のび太君も真っ青の寝付きの良さだ。