烈さんは、私達の安全を考慮して、石田のアジトから随分遠いトコロで車を止めた。


アジトである倉庫はおろか、喧嘩してる人影も見えない。


不安で万里ちゃんと繋いだ手に力が籠る。




暫くして闇にライトが見えて、一足先に辿り着いていた豹さんがバイクで現れた。




クロちゃんと薫は・・・・?


「安心しろ。今、仲間が連れてくっから。」


豹さんの言葉通り、それからほどなくして数人の塊が向かってきた。





それを見て、思わず息を呑む。









クロちゃんも、薫も・・・ボロボロ。


服も肌も区別なく血と埃に塗れて、もう意識もないのか仲間に支えられて引き摺られるようにして。



私達の強張った顔に、豹さんが苦笑する。



「まーありゃしかたねーや。二人対グループじゃ桁が違いすぎる。でも、アイツ等さすがだぜ?たった二人でグループ一個潰しやがんの。無論、トップもバッチリ仕留めてあった。」




業と明るく言った声もどこか遠く聞こえる。