2人は、肩を並べながら走り始めた。
太陽の日差しは強いが、気温はちょうど良い温かさだった。
体全体に、風を感じながら、広い庭を走りぬけた。

「…走るのって気持ちいでしょ…?」

「…あぁ…そうだな…。」

少女は、彼の横顔を見ながらクスッと笑った。

「…ん?
どうした…?」

彼は、立ち止まって、少女の顔を伺った。彼が、立ち止まると、少女も走るのを止めた。

「樺羅さんって、本当にかっこいいなぁって思って…。」

少女の真っ直ぐな言葉に対し、彼は今までにない位の笑みをこぼした。

「…ククッ…何だソレ…。。
……サンキュー…。」

彼の笑みにつられるかの様に、少女も照れくさそうに微笑んだ。

「背……高いね…。」

「ん?そうか…?
夜奈が小さいだけだろ…」

彼の身長は186センチであり、少女の身長は154センチだった。