その時、庭を笑顔で走り回っている少女の姿が見えた。

彼は、目を大きく開きながら、少女の様子をじっと見ていた。

こんな朝早くに、なぜあんなにも元気に走っているのか…。
彼は、そう疑問に思いながら、窓を開けた。

「あ…!
樺羅さんっ…!!
おはよー…!!」

少女は窓を開けた音に気づいたらしく、ブンブンと手をふりながら、二階を見上げた。

「……ぁ…おはよ…」

彼は戸惑いつつも、うかない顔で返答した。