「お帰りなさい、樹里お嬢様」 スラッとした容姿。 その顔は、まるで人形のように綺麗で… 綺麗すぎて怖い。 黒い髪をオールバック。 伏せた長い睫毛は、女の人みたい。 妖艶に孤を描く口元。 "容姿端麗" この言葉は、彼のためにあるようなものだと思う。 この完璧主義な男は、あたしの執事。 永島 優。 手違いで、やとってしまったヤツなんだけど。 使えるから今でも置いている。 「今日は部屋で読書でもするわ。紅茶をお願い」 「御意」