…キュッ。


キッチンの蛇口を閉め、

「終わった~!
 …じゃ、私帰るねー」

「あぁ。
 ありがとうなっ、片付けまで」

「ううんっ」



カバンの中の荷物を確かめてる時、


 ぎゅっ…。   


悠斗が後ろから抱きついてきた。



「何?
 どうしたのー?」

「…ううん。
 ゴメン、ちょっとこうしたかっただけ」

そういうと、そっと悠斗の腕が私から離れた。


それから玄関で靴を履いてると、

「明日、迎えに行くから。
 待ってる……」

「うん。
 どうしたのー? 何度も?」

「いや、ゴメン」

「クスッ。
 悠斗さっきから謝ってばかりだよ?」


やっぱり悠斗の様子がおかしくて、私は変な気分になった。



「そっかなー?
 じゃ、気をつけてな?」

「うん。 おやすみー」

私は静かにドアを閉めて、悠斗の部屋を後にした。