あの日から、

私と翔が恋に落ちるまでは

それほど時間は必要じゃなかった。





「今日はウチこないー?」

「えっ?」

「いつも遙んちで、来た事ないだろ?」

「う、うんっ」


ふたりで買い物をして、翔の部屋へと向かう。




「お邪魔しまーすっ」

「どーぞっ」

「あれ…?
 間取りが違う? 広っ!」

「あ~、ココ角部屋でファミリー用に作られてるみたい」

「へぇー、そうなんだ」

「今日はさぁ、、お客さんだからソコ座って待ってて?」

「え? 翔が作るのっ?」

「あぁ。オレが作るのっ。
何か文句ある~?」

「えーっ、食べれるの作ってよね?」


冗談を言い合いながら、私はキッチンに立ってる翔を見てた。


「・・・キレイ。」

「ーん?
 何か言った?!」

「ううん。
 何にもなーいっ」


やっぱ、芸能人なんだよね。
翔は。

近くに居ても、何故か遠い人……。