「でも、翔と話さなきゃ、、、」

「・・・。」

「ちゃんと終わらせてくるよっ」


そう言って、私は悠斗のマンションを出た。



少し歩いて、

大きく深呼吸をして、

携帯のメモリ-から懐かしい名前を探し出す。


 Pipipipi・・・

「・・・翔?」

『…は、遥?!』

少し驚いた声で、翔は電話に出た。



「話したいことがあるんだけど……」

それから足早に翔のマンションを目指して歩き、チャイムを鳴らす。


『はぃ。 今開けるー』

ロックが解除され 自動ドアが開き、私は慣れたマンションの中へと進む。

「…懐かしい」

まだ引越しして少ししか経っていないのに、月日が そう私に懐かしさを感じさせた。

 ピンポーン。

 ガチャ。

「…よっ」

そして、玄関のドアの向こうには、


とても遠かった


ヒト-翔-がいた。