「はぁぁ~。
 やっと荷物運び終えた~!」
「オツカレ!」

新居は、
ロフト付きのワンルームの部屋で、駅から前の家とは逆の方向の場所にある。

「狭くなったなぁ…」

私が呟くと

「そう? 俺はこれ位がちょうどいいと思うけどっ。
 遙との距離も近いし~!」

「もう、何言ってんのっ!
 あ。 上着~。
 ちょっと、ハンガーどこだっけ…?」

「あ、ごめん。
 いいよ、いいよ。 
 今日はもう帰るわ!」

「そう…?
 疲れさせちゃったかな? ごめん」

「ううん、大丈夫!
 じゃ、またな!!」

「うん。
 手伝ってくれてありがとうー」

この時
私は、悠斗の内ポケットに隠されてるモノのついて
知る余地もなかった。