慶介side



「おーい」

「………」

「慶介〜」

「………」

「戻ってこーい」

「………」


遠くから、泰地と遊星の声が

聞こえる……気がする。


「ダメだこりゃ」

「慶介、元気出せって」

「………無理」


無理だろ。

だって……俺、昨日最悪なことした。


雪姫のこと好きだとか

叫んだあげく、キスまでしちまって。


諦めるとか…死ねって

言われてるようなもんだし。


……マジ俺…情けねぇ。


「マジで諦めんの?」


遊星が興味津々に聞いてくる。

こいつ……楽しんでるな。


「知らねーよ」

「はぁ?自分のことだろ?」


でも…諦めるって雪姫に

言っちゃったしな。

さすがに俺だって

「やっぱり昨日のはナシで!☆」

なんて言えるほど無神経じゃない。


「…どうすんだろ……俺…」


机におでこをつけて突っ伏した。

その状態のまま横を向くと

雪姫が楽しそうに高田と話している。


雪姫は……悩むわけねぇよな。

むしろ喜んでる?

俺が、つきまとわなくなって

楽になったのか?


だとしたら俺……超ショック。