…でも、雨宮が着いてくる気配はない。

私は振り返ってみた。


雨宮は電灯の灯りをキレイに浴びて

スポットライトみたいになっていた。


「…なに、してんの?早く帰ろ」


小さな声で言ってみた。

雨宮との距離は9メートルぐらい

あるけど夜だから、聞こえたはず。


「俺、雨宮慶介はぁー!!
南雪姫のことがぁー大好きです!!!」

「ばっ…何やってんの!!」


私は意味わかんないことを叫んだ

雨宮に近寄って文句を言った。


「バカじゃないの!!近所迷惑でしょーが!!家近いんだから、聞こえたら……」









─ちゅっ…