書くことだけ書いて、俺は音楽室をあとにした。 部屋を出た瞬間、涙が溢れた。 バカじゃん、俺。 ガキじゃん、俺。 大人になれよ。 おめでとうって言ってやれよ。 なんで、泣いてんだよ……。 涙が溢れて、歩けなかった。 「松木くん!」 ガラッとドアが開く音がして、先生が俺を呼んだ。 でも泣いてるのがバレたくなくて、振り向かなかった。 .