「今日は配布物が多いので、一気に配ります。」

先生の声がし、
目覚める。

5分ほど
寝ていた
ようだった。


「おい。」


前から
声が聞こえる。


「え?」

「プリント。回せよ。」


プリントが
差し出されていた。

あわてて
プリントを
受け取る。


プリントを
受け取った瞬間。



手の先から
暖かさが
流れ込んできた
気がした。



「あ…。」

「何?」

「あ。いや、なんでもないです。」


何も言わず
前に向き直る。


なんで
敬語使ってるんだろ。



ってか…。



ちょっと

怖い…。





その時は
大きい背中に
感じる、


安心感に
まだ、
気づいて
いなかった。