ホームルーム
が終わるなり、
私の席に
彩夏が飛んできた。


そう。
まさに飛んできた。


「ねえ!!なんか朝、小林梓から挑戦状叩きつけられてなかった?!」


小声で
怒鳴ってきた。


「ちょ、挑戦状?!いや、あれは挑戦状っていうよりも、決定打なんじゃないの…?」


彩夏が
もどかしそうに
首を振る。


「ちっがうよ!!小林梓は、坂口君の幼なじみ!!知らなかった?…なんて私もさっき友達に聞いたばっかりなんだけど…。」


口が無意識に
開いてしまう。


「だから昔からそうゆう間柄だったんだって。ねー、それより宣戦布告されて、大丈夫?」

「さ、さっきから、挑戦状やら宣戦布告やら、怖いね。」

「ちょっと。人事じゃないよっ。」


頭を
チョップされる。


「いた。」

「でも、朝なんか真剣に話してなかった?何かあったの?」


ああ。

思い出した。



悲しい時しか
下を向かない…



そう
言われたんだった。

それを簡潔に
彩夏に伝える。


「へぇ…。坂口君がそんな事を…。」


彩夏が、
教室の隅にいる
坂口君に
視線を走らせる。


「ねぇ彩夏、どうゆう事なんだと思う?」

「…。考えてみる。また後でね。」


授業が始まる
チャイムが
聞こえる。



いつもの
授業の光景。



書きもしない
ノートを
広げて、

空を見上げた。