次の日。


風が強いにも
関わらず、

彩夏に外で
昼ごはんを
食べないかと
誘った。


「おおせのままに。」


冗談っぽく
口にして、

お弁当を片手に
一緒に
中庭に向かう。


「で?どうしたの?」


「…え?」


彩夏の突然の問いに
驚き見つめる。


「え?じゃないでしょ。顔に全部出てるよ。」


風になびく髪を
片手で抑えつつ、
けらけらと
軽やかに笑った。


「裕子は本当に顔に出やすいんだから。」


大西君に恋を
しているからなのか、
綺麗と思わせる
顔を向け、

にっこり
笑ってみせた。


「本当に…?」


顔をおさえる。

そんなに顔に
出やすいの?

恥ずかしい…。


でも、

今彩夏に
何か言いたい事
があって、

外でご飯を
食べようと
誘ったつもり
ではない。

でも、
私の表情には

何か彩夏に
聞きたい事、
伝えたい事が

溢れて
いるのだろうか…?



「彩夏。」


「ん?」


「私、今、どんな顔してる…?」