無常にも、
席は離れてしまった。

私は一番窓側の
一番後ろ
(前から五番目)の席。

彩夏は窓側から
二番目の
前から二番目の席。

坂口君は…
窓側から三番目の
前から二番目だ。

つまり、
教卓の目の前
って事になる。


あ。


ちなみに、
大西君は
廊下側から三番目の
(窓側から四番目)
一番後ろの席だった。


んー。

彩夏…どんまい!


彩夏はこっちを
見ながら、
大西君や私と
席が離れたことを、

悲しむ素振りをして
訴えている。


私だって…
泣きたい。


彩夏と
離れちゃった。

坂口君と
離れちゃった。


坂口君…。

遠いな…。


もうあの背中は見れないのかな。


今度の席は
男女が交互
になっている。

つまり、
女子の隣は男子。
前も後ろも男子。

逆もそうである。


坂口君の
背中…。

別の女の子が
見るのかな。


胸の真ん中が
カッと熱くなった。



…嫌だ。



ずっと私の、
私だけのもの
だったのに…。

他の人に
とられた。


頭では
分かってる。


自分が勝手な事を
考えていると。

けれど、

止められない。


悔しい。
寂しい。

少しだが、
憎しみもある。



この気持ち…。


これが嫉妬?


彩夏が前に言っていた
嫉妬なのかな。




あまりの自分の
強い感情に、
自分自身が
一番驚き、

どうしたらいいか
分からず、

ただただ
唇を強く
かみ締めていた。