それから
毎日毎日、
彼の背中を
眺め続けていた。

月日が流れ、
もう6月に
なっていた。


彼の大きい
背中は、
何一つ
変わっていなかった。


けれど、


その背中に
日に日に強く、
愛おしさを
感じている

自分の
気持ちだけが

大きく、
変わっていた。


今でも
会話という会話は
出来ない。


後ろからただ
眺めているだけの
日々だった。



その時、
先生が何気なく
私たちに一言告げた。


「じゃあ、今日は席替えするか。」



…え?


席…替え…?


坂口君と
離れちゃうんだ…。


や…だな。



自分でも
不思議な感覚に
襲われる。



彩夏とも
離れたくない。

でも、

坂口君と離れる事が
異常に寂しい。


どうしよう。

どうしよう。

どうしよう…!!


「じゃあクジ引いて、その番号の席に移動して。」