昨日の夜、
夢を見た。

坂口君の夢。

坂口君が
笑ってた。

すごく優しそうに
私に向かって
微笑んでいた。


思わず
私も
笑いかけていた。

嬉しかった。


坂口君。
何でそんなに
嬉しそうなの?

坂口君。
今、何を
考えているの?

坂口君。
私のこと、
嫌ってなかったんだ。


「坂口君…」

坂口君の
名前を口にした
自分の声で、
目が覚める。


夢…。


今のは
夢だったんだ。


目をつむる。


まだ
まぶたの裏に、
笑ってる坂口君が
残ってる。



夢…。



夢であったことが
こんなにも
切ない。


私、

坂口君の事、

どうしてこんなに
考えて
いるんだろう。


彩夏…。


彩夏のおかげで
夢なんか
見ちゃったよ。



学校に行こう。


そうすれば、
全てが
はっきりする
気がする。



学校に行けば…。




坂口君を




見れば…。