1週間たった。



あれ以来
一言も
坂口君とは
話していない。



「ねぇ。今日、放課後公園で遊ばない?」

「いいよー。久々だね!」



彩夏の
久々の遊びの提案。


最近は
宿題が多くて、
あまり
遊べなかった。

今日は久々に
宿題が
一個しかない。


近くの公園で
ブランコに乗って
遊ぶ。

…というより、
語り合う。


この公園は
新しくて
綺麗だから

私たちの
お気に入りの
語り場に
なっている。


「なんか久々だねー!」

「うん。」


彩夏が
少し真剣な
顔をしている。


「何?」


思わず
ブランコを止めて
彩夏に
向き合う。


「うん…。あのね、私は大西君が好きだよ。」

「知ってる。」

「はは…。裕子は?好きな人本当にいないの?」

「…え?」


どうしたんだろう。


この学年になって
突然、
この質問を私に
するようになった。


「最近どうしたの?私、彩夏に隠し事なんてしないよ。
好きな人も出来たら、一番に彩夏に言うよ。」

「…ありがとう。そうだよね。わかってたんだけど…。」


なんだか
いつもの
彩夏じゃない。


「裕子は、好きな人、出来たことないんだよね?」

「うん。そうだね。」

「ねぇ。坂口君の事、どうゆう風にいつも感じてる?」

「また坂口君?!」


し、しつこい!!
また坂口君?!

本当に
どうしたんだろう。


「なんでまた?!」

「いいから。」

「えー?冷たくて、無愛想で、ちょっと怖くて、変なやつ。」

「他には?」

「んー。他?なんだろ?」

「何でもいいんだよ。」


いつになく
真剣な彩夏の目は
まるで大粒の
サファイヤのように

まっすぐに
美しく、

吸い込まれるような
少し妖しげな光を
放っていた。