それでも、脳裏に思い浮かぶのは陸くんと女の子の姿で。 「今日は彼女と一緒にいるのかな…」 言葉にしたら、 口の中が苦くなった。 わたし、陸くんのこと好きなのかな。 どうしよ。 そんなの困る。 だって彼女持ちとか無理だよ。 勝ち目ないよ。 わたしに肉球をぎゅっと掴まれた黒猫は、ふぎー!っと毛を逆立てて。 わたしの右手の甲に引っ掻き傷をつけて逃げてしまった。