「あんな無愛想魔人でも彼女とかいるんだねー」

アキちゃんが興味なさそうに呟く。


「あれ、ほんとに彼女なのかな」

なんだか勝手に口が動いた。


「彼女でしょ。このクソ暑いのにベタベタくっついてさ」

「そっか」


なんだ。

彼女、いたんだ。


…なんだ。



メロンソーダをストローで吸い込んだ。

溶けた氷が味を薄くしてて、
わたしは眉間にしわを寄せた。