映画館から出て、 アキちゃんは大きく欠伸した。 ふあ~あ。 退屈で死にそうだったって目が語ってる。 「やっぱわたし、恋愛映画とか無理だわ。もう眠くってしょーがないし」 そう言いながら、アキちゃんはわたしの背中をばしっと叩き。 「花はよくあんなんで大泣きできるねー?」 呆れたようにわたしの顔を覗き込んだ。 「ううう…」 そりゃ、この映画を観たいって言い出したのはわたしだけど。 こんな泣くとは思わなかった…。