それが、夏休み前の出来事。 わたしはあの日から、 陸くんが好きじゃなかった。 いつも澄ました顔で、 他人の気持ちなんかどうでもよくて、 だから誰とも喋らないし、 打ち解けない。 そういうふうに感じてた。 でも。 だから。 夜の公園で会った陸くんは、 まるで――。