『昨夜、何してたの?』


でも、訊いてどうする?


あたしだって、原口係長と二人で居たわけだし。


ある意味、同罪ってことになる。


あたしがそんな考えを巡らせていると


「野上さん、私孝太君のこと、諦めません」


アナウンサーのように、よく通る声ではっきりと言い切った山本さん。


メイクを直したての顔は、キレイに作られていて。


あたしを見詰める山本さんの視線は、潔いほど真っ直ぐに思えた。