泣き顔にサヨナラのキス



「ミスは挽回すればいい」

「……はい」

俯き加減にそう言ったあたしに、原口係長がクスッと笑った。


「でも、こんなにシュンとしている山本さんを見るのは意外と言うか、何と言うか……可愛いよ」

「……!」

その言葉に、顔がカァーッと赤くなっていくのが自分でもわかった。


その後のことはよく覚えていない。

照れを隠すために、お酒を呑んだ。お酒は強くないけど弱くもない。

無理をしなければ、酔っ払うことは無いと思っていたけど。


ふっと目を覚ますと、知らない部屋のベッドに一人で寝ていて、慌てて身体を起こすと酷い頭痛に見舞われた。