泣き顔にサヨナラのキス

 

原口係長も電話口で誰かに謝罪している。

自分のミスを思い出して、また気分が沈んでしまった。


契約の更新は無かったことにしてもらおうか、そんなことを考えていたら電話を終えた原口係長と目があった。


「山本さん、ちょっといいかな?」

その声が冷たく聞こえて、流石のあたしも泣きたくなった。


原口係長の後を追って、この前と同じ会議室に入った。

重苦しい雰囲気に押し潰されてしまいそう。