「そんなに、じっと見るなよ」 「いいじゃないですか。減るもんじゃないし」 「俺だって、照れるんだよ」 「意外です」 「お前な、」 「相変わらず、仲が良いのね」 お料理を運びながら、涼子さんが口を挟む。 「もしかして、けんちゃんと野上さんは付き合っているの?」 気のせいだろうか。然り気無い言葉のようで、それでいて細心の注意を払って発したように感じた。 それって、涼子さんは原口係長のことを? でも、涼子さんは婚約しているんじゃなかった?