重苦しい空気に包まれて、二人とも言葉を無くしたように黙り込んだ。 言うんじゃなかった。後悔しても遅いけど。 決定的な言葉を聞く前に、何とかしなくちゃ。そうは想っても言葉が出てこない。 目も合わせられずに、俯いたままのあたし。 先に口を開いたのは孝太だった。 「……ちょっと、言い過ぎた。ごめん。 カナが嫌なことは出来るだけしないよ。ただ、この前のランチは結果的にああなっただけで。 何を言っても、言い訳に聞こえるだろうけど」 そして、あたしをふわりと抱きしめた。