唇を尖らせる山本さんの頬は、ほんのり桜色。 「何がつまんないの?」 「野上さんの後任、どうしてイケメンじゃないんですか!あたし、楽しみにしてたんですよ。それなのに……」 「ははは。イケメン率高い方だよ。うちの課は。 ま、古賀さんはともかく。 田中くんだってさ、孝太とか原口係長と比べるから、別にって感じだけど、単品で見たらイケメンの部類に入るんじゃない?」 そうだ。田中くんは山本さんに気があるんだった。 すっかり忘れていたけど。