「センパイ」 不意に声を掛けられて、肩がビクッと上がる。 振り向いた先には、孝太が心配そうにあたしを見ていた。 「な、何?」 「いや、ランチ行きませんか?」 「えっ?」 「もう、昼休みですよ」 事務所を見渡せば、人は疎らで。どうやらあたしは、しばらく放心していたらしい。 「あ、そっか。うん、行こうか」 立ち上がると、視界の端に山本さんが映った。