そして、あたしから離れると「もう、帰っていいぞ」と投げやりな原口係長。 あたしの方を見ようともしない。 濡れたブラウスが素肌に張り付いて、酷く気持ちが悪かった。 だから…… 「着替えを貸してください」 自分でも何故そんなことを言ったのかわからない。 まだ帰りたくなかった。 原口係長をこのまま独りにしたく無かった。 あたしも原口係長のことが好き。だけど、原口係長が口にした言葉とは意味合いが違う。