泣き顔にサヨナラのキス



原口係長の唇が、首筋を辿って鎖骨で止まる。


「イヤ、止めて」


「野上、俺を見て」


原口係長の声も震えていた。


「あたし……」


原口係長を見詰めると、涙がポロポロと零れ落ちた。


「……わかってるよ。お前の気持ちぐらい」


そう言って、諦めたように笑う。


目を伏せて、一つため息を吐いた。