事務所を出たところで、原口係長に呼び止められた。


振り返ると、酷く疲れた顔の原口係長が「ちょっと、付き合え」と有無を言わせない雰囲気で立っていた。


「あ、はい」


週末に用事がないと思われているんだ、あたし。


実際、孝太と約束なんかしていないし。


今、何をしているんだろう。


孝太はあたしと一緒に居たくないのかな。


明日も明後日も孝太の予定を知らない。