気になるのは。


ここは原口係長の部屋で、二人きりだということ。


この前のアレは、無かったことになっているけど。


だとしても。やっぱり、気まずい。


「お前さ、なに考えてんの?もしかして、キスしたこと、思い出したりして?」


「な、何言ってるんですかっ!」


目の前の原口係長は余裕の表情。あたしをからかって面白がっているんだ。


だったら、ムキになって反論したって、余計に原口係長を楽しませるだけのような気がする。


そう思って、黙っていると……