「一人で食べきれないと思っていたんだ」


そう言って、原口係長は冷蔵庫からLサイズの食べ掛けのピザを取り出した。


ええ、間違っていませんよ。


お昼、美味しいピザをご馳走してくれるんですよね。


「どうしたんだよ、複雑そうな顔して?」


「若干、騙された気がしてます」


「まあ、そう言うな。ホラ、コーラもあるぞ」


レンジにピザをセットして、ガラスのグラスにコーラを注ぎ入れる。


炭酸がシュワッと音を立てて泡になった。


あたしのやりきれないこの気持ちも、泡になって消えればいいのに。