好きとか嫌いとか、そんなんじゃなくて。


誰かに傍にいて欲しい。


だけど、やっぱりそれは、誰でもいいわけじゃない。


だからね、振り向いちゃいけなかったんだ。


「おーい、野上。昼飯行くぞー」


軽く叫ぶ、原口係長。


なんで、まだ居るんですか。

どうして、あたしに笑顔を向けてくれるんですか。


「………ぅ」


「不細工、取り合えず車の中で化粧直せよ」


「ヒドイ」


回りの人にも聞こえちゃうじゃないですか。


あたしのことを知らない人も不細工だって。そんな目で見られている気がした。