転んだ拍子に、バッグの中身が散乱してしまって。


それが何だか、自分自身に見えて、また泣きたくなった。


グチャグチャだ。


ノロノロと身体を起こして、飛び散った部屋の鍵や定期、グロスやハンカチを拾い集めた。

キーホルダーを握りしめて、あたしはどうして、孝太の部屋の合鍵を貰えないのだろうと想った。


好きでいてくれるのはわかる。でも、あたしと孝太の温度差は否めない。



「お前、何してんの?」