「じゃ、帰る。また明日」


「……うん」


玄関まで見送って、鍵を掛けた。


……今日は、キスしてくれなかった。


部屋に戻ると、飲みかけのコーヒーはまだ温かくて、そこに孝太が居ないことが、とても寂しい事のように思えてしまった。