「それで?」 「わたし、飲み過ぎてしまって。孝太君に送ってもらったけど、途中で気持ち悪くなって、それで孝太君の部屋に行きました。 だけど、孝太君、わたしを寝かせると出ていってしまいました。野上さんのところに行ったんですよね。」 「うん、そうだよ。」 そう言いつつも、チクリと胸が痛んだ。 黙ったまま歩いていると、コンビニの前で信号が赤に変わった。 制服姿のOLさんや、サラリーマンの列に紛れるように立ち止まる。