あぁ、なんだろう。この感じ。何を言えばいいのか、わからない。


「味噌汁の具は、ほうれん草が好き」


「わたしは、豆腐がいいです」


「へえ」


「ここ、奢ってください」


「は?まぁ、いいけど」


「ご馳走さまでした」


可愛く頭を下げる山本さん。


喜んでお財布を出すんだろうな、世の男性達は。こうやって、あたしもランチ代を払っているわけだし。

「可愛いって、特だね」


「努力しましたから」


あたしが何の努力もしていないみたい。

ちょっとイラついて隣を見ると、山本さんはクスクス笑っていた。