泣き顔にサヨナラのキス



「そんな驚いた顔しないで下さいよ!

無理もないんです。

私、あの頃凄く太っていて、孝太君とは話したこともなかったから」


そこで、お茶を口に含む山本さん。


女性らしい細い指には不釣り合いな、色気のない湯飲みが握られている。


「高校の三年間、ずっと太陽みたいな孝太君が好きでした。でも、自信が持てなくて告白も出来なかった」


少しの間の後、山本さんは薄く微笑んだ。