泣き顔にサヨナラのキス


 

……何か言わなきゃ。


孝太があたしの言葉を待っている。


「あの、夕飯のおかず、とりの照り焼きなんだけど、作りすぎちゃって。孝太好きでしょ?食べていって」


「帰らないで」とは、やっぱり言えなかった。


可愛くない。


こんな自分に自己嫌悪。


「……俺の大好物だよ」


それでも、孝太が嬉しそうに目を細めてくれるなら。