泣き顔にサヨナラのキス

    


動揺して湯呑みがテーブルに着地する前に、手を離してしまった。


……ゴトッ


「わっ、先輩なんでお茶溢すんですか!!すいませーん、台拭き下さい」


孝太があたふたと片付ける真向かいで、あたしに向けて不敵に微笑む彼女。



『宣戦布告』


そんな文字が頭に浮かんだ。